ロイヤルカスタマー育成のポイントと全体の流れをおさえよう
ロイヤルカスタマーは自社の経営を安定させるために必要不可欠な存在です。効率的に顧客ロイヤリティを高めていくためにも、ロイヤルカスタマーの育成方法をおさえたうえで戦略を練りましょう。
本記事では、ロイヤルカスタマーの育成のポイントと全体の流れを解説します。
目 次
ロイヤルカスタマー育成におけるポイント

ロイヤルカスタマー育成には、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。ここでは育成におけるポイントを解説します。なお、ロイヤルカスタマーについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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ロイヤルカスタマーと優良顧客の違いをおさえる
ロイヤルカスタマー育成において、優良顧客との違いをおさえておくことはとても重要です。
ロイヤルカスタマーはただのリピーターではなく、自社製品やサービスに愛着を持っている顧客です。リピーターのなかには、長期利用しているが愛着を持っていない顧客もいます。具体的には、以下のようなケースです。
- 長期契約のため解約したくてもできない
- 解約手続きに手間がかかるため面倒で解約していない
- 不満はあるが代替となる他社製品やサービスがないため仕方なく継続利用している
どのケースも他社により良い製品やサービスがあればそちらに流入してしまいます。ここがロイヤルカスタマーとの違いです。
優良顧客をすべてロイヤルカスタマーとしてみなすのではなく、その中にいる愛着を感じている顧客をきちんと探し出すのが、育成における重要なポイントです。
ロイヤリティの計測と向上は継続的に行う
ロイヤリティの計測と向上は、ロイヤルカスタマー育成時に注意すべきポイントです。
ロイヤルカスタマー育成は、顧客が本当に製品やサービスに満足しているかを可視化し、向上し続ける行動を蓄積して成功します。ロイヤリティの低い優良顧客は、寄居他社製品やサービスがあればそちらに流入することを考えると、長期的に見るといい顧客とはいえません。
将来の大量離脱を防ぐためにも、継続的にロイヤリティを計測し、顧客が求めるニーズを満たしていく必要があります。
ロイヤルカスタマー育成の4ステップ

ロイヤルカスタマー育成は企業ごとにその細かな内容は異なりますが、基本的には以下4つの工程を通して行います。
顧客ロイヤリティの分析
まずは自社の現状を把握します。自社や店舗のロイヤルカスタマーがどれだけいるかを分析しましょう。
具体的には、自社や商品・サービスをどれだけ周りにすすめたいと思うかのアンケートを取ります。分析の際はアンケート調査と顧客データを紐付けて行います。紐付けが難しい場合や、顧客データが不十分な場合は、アンケートに必要なデータを収集するための設問を設けましょう。
この調査と分析により、自社に高いロイヤリティを持つ顧客が、どのような属性・特徴を持っているかを把握できます。これを活かせば、より効果的な戦略や施策が打てるようになります。この時点で顧客ロイヤリティを高める引き金になるロイヤリティドライバーを見つけられれば、より効率的な育成も可能です。
ロイヤルカスタマーの分析は、現状把握だけでなくより効率的な育成を可能にするためにも、欠かせない要素といえます。
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カスタマーエクスペリエンスの設計
ロイヤルカスタマーの分析を終えたら、次はカスタマーエクスペリエンスを設計しましょう。
これはより顧客満足度を満たせるような行動を指します。具体的には、製品やサービスのブラッシュアップにつながる戦略や施策です。ブラッシュアップの対象は、製品を購入・使用する際の一連の体験も含まれます。
例えば、店頭での接客やカスタマーサポートの体勢やその改善も、カスタマーエクスペリエンスの対象です。
併せて以下のデータに基づき、最適化したマーケティング活動の実施も欠かせません。
- 顧客ごとの属性
- 興味関心
- 行動履歴
なお、このステップでのロイヤリティドライバーは、カスタマーエクスペリエンス設計の重点や優先順位を決定する作業で利用します。ロイヤリティドライバーは優先順位の上位に設定します。
あわせてほかの要素も満たすことで、カスタマーエクスペリエンスの基礎である「基本価値+体験価値」の構図を満たせるようになります。
カスタマーエクスペリエンスを設計する際は、これまでの要素を意識しながらツールを用いましょう。このステップで刈るようできるツールとしては、カスタマージャーニーマップなどが該当します。
このほかにも活用できるツールがあれば、積極的に利用しましょう。
ロイヤリティプログラムの導入
カスタマーエクスペリエンスの設計が完了したら、顧客ロイヤリティを醸造するためのプログラム導入と実践に移ります。具体的には、特定のロイヤリティを満たした顧客に特典の付与や特別な購買体験を提供するための準備です。
この段階では、以下5つのポイントをおさえながら行動する必要があります。
- ブランド価値を際立たせて強化する
- 顧客とブランドの感情的な結びつきを作る
- 顧客の感動体験を創出する
- 一人ひとりの顧客にパーソナライズする
- 競合他社との差別化を図る
これまでの分析やカスタマージャーニーマップなどを活用しながら、自社やそのロイヤルカスタマー見込みの顧客にあったプログラムを導入・実践しましょう。
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ロイヤルカスタマー化しやすい新規顧客の獲得
たくさんの新規顧客を確保してその中からロイヤルカスタマーを育成するのは、非効率です。最初から自社のロイヤルカスタマーになる属性を持った顧客にアプローチする方が、より効率的にロイヤルカスタマーを確保できます。
このとき活用できるのが「ゼロパーティーデータ」です。
消費者のデータはさまざまな所から入手できますが、ゼロパーティーデータはそのひとつです。消費者、つまり顧客自身の意思で提供しているデータで、以下の情報が含まれています。
- 顧客の好み
- 購入意向
- 趣味嗜好
顧客の本音ともいえるこのデータを活用すれば、ピンポイントで顧客をロイヤルカスタマー化する施策を打てるようになります。ゼロパーティーデータを収集・分析する際は、以下の内容を質問するアンケートを用いましょう。
- 商品やサービスに関する属性
- 商品やサービスに求める特徴や好み
- 利用する際のタイミング
アンケートを実施する際は、回答者限定でもらえるクーポンなどを利用しましょう。ロイヤルカスタマー育成だけでなく集客にも役立ちます。
アンケート内容を反映した商品やサービスを提供すれば、ロイヤルカスタマーしやすい顧客を集客・育成できる環境を構築できます。
ロイヤリティプログラムと並行して見込みが高い顧客を集めて、ロイヤルカスタマーの割合も増大させましょう。
ロイヤルカスタマーを育成して売上を伸ばそう
ロイヤルカスタマーの育成は、ただ集客し、施策を実施しただけでは不十分です。優良顧客との違いを理解し、自社に愛着を持ってくれる顧客を中心に、満足感の高い購買体験を提供する必要があります。
まずは顧客分析から自社のロイヤルカスタマーが持つ属性や特徴を把握するところから取りかかりましょう。






