スーパーのショッピングカートはどうやって選ぶ?購入する際のポイント
ショッピングカートは、スーパーマーケットなどをはじめとした実店舗で、さまざまな商品を購入する際に使われます。特に、食料品や日用品などはこまごまとしたものが多く、レジまでの道が長くなりやすいです。
ショッピングカートにカゴを乗せておけば、商品の散乱や手の疲れを予防できます。今回は、そんなショッピングカートの種類や購入・契約方法、選び方のポイントについて解説します。

目 次
ショッピングカートがもたらす効果
店舗に合ったショッピングカートを選ぶには、カートがもたらす効果について知っておくことが大切です。ここでは、ショッピングカートがもたらす効果とカート選びの重要性を解説します。
顧客の購入商品数を増やす
ショッピングカートは購入点数を増やす効果があります。顧客が使いやすいカートを導入できれば、売上アップ効果が期待できるでしょう。
買い物かごだけを持った顧客とショッピングカートを使った顧客では、後者の方がより多く買い物できます。また、商品を運ぶ際の負担も後者の方が少ない分、売り場を回る余裕ができます。
ショッピングカートを導入して顧客の売り場滞在時間を延ばせれば、売上アップの可能性が高まります。利益を向上させたい場合は、顧客が使いやすいショッピングカートを導入しましょう。
来店動機を作る
使いやすいショッピングカートは、顧客が「ここでまた買い物したい」と思うきっかけになります。特に、子どもがショッピングカートを気に入れば、家族で買い物がしやすくなるため、家族連れの来店を得るチャンスです。
子どもがおとなしくまたは楽しく買い物できる環境を構築できれば、顧客である大人が買い物するときの負担を軽減できます。「買い物しやすいからあのお店に行こう」と思わせることができるのも、ショッピングカートが持つ効果です。
ショッピングカートにはどんな種類がある?
ショッピングカートには大きく分けて、店舗に設置しておくものと来店者が持ってくるものの2種類があります。ここでは、店舗に設置するタイプのショッピングカートの種類について、大きく5つに分けて解説します。
商品の載せ方
ショッピングカートには、商品を直接カートに載せるタイプと、カートの上に買い物カゴを載せてカゴの中に商品を入れるタイプの2種類があります。ホームセンターなどのように大型の商品、重い商品を運ぶ必要がある場合には、商品を直接カートに載せるタイプのショッピングカートが便利です。
一方、食料品や日用品を取り扱うスーパーマーケットなどの場合は、商品が散らばらないようにカートの上に買い物カゴを乗せるタイプのショッピングカートがおすすめです。
商品の載せ方に注目して選ぶ場合は、顧客が購入する商品数や商品の傾向をチェックすると使いやすいものを選べます。
段数の違い
ショッピングカートとしてよく見かけるのは「一段式」と「二段式」で、一段式は上段にカゴや荷物を置けるが下段には置けないもののことで、二段式は上下段いずれもカゴや荷物を置けるようになっているもののことを指します。
また、やや珍しいタイプのショッピングカートとして二段式の上下段のちょうど間に中段がついて「く」の字型になった「三段式」のタイプもあります。
幼児席の有無

保護者側に幼児席があるショッピングカートと、幼児席が前方についているショッピングカートがあります。
特に、家族連れが多く来訪することが見込まれるスーパーマーケットやショッピングモールなどでは、保護者が幼児の様子を確認しながら安心して買い物ができるよう、対面の幼児席つきショッピングカートを使う場合が多いです。
後述するキャラクターものの乗り物つきショッピングカートも幼児席がありますが、乗り物つきショッピングカートの場合は子どもが擬似的に車の運転を楽しめるよう、前方に幼児席がついています。
軽量タイプ
ショッピングカートには、女性や力の弱い方でも扱いやすい軽量タイプがあります。小回りが利くため、狭い店内や細い通路でも扱いやすく、米や飲料などの重たいものを購入した場合でも押しやすいのが特徴です。
この特徴は顧客だけでなく、店舗側にも役立ちます。カートが軽い分、何台かを重ねてそのまま一気に押し戻せるため、通常タイプに比べると回収作業が簡単です。
軽量タイプは店舗の特徴や顧客傾向に合致すれば、非常に使いやすいカートであるといえます。
便利機能付き
ITや機械工学的な技術の発達により、さまざまな便利機能付きカートも登場しました。例えば、以下のような便利機能がついたカートがあります。
- カートの使用後に放置することがないよう、デポジット式を採用したカート
- 高齢者など視力が不安な人に向けて、虫眼鏡がついたカート
- 広いショッピングモールなどで、店内を歩き回るための電動カート
デポジット式カートでは、ショッピングカートを所定の場所に戻すことでデポジットした硬貨が返却されるため、店内にバラバラに放置されてしまうことを防げます。
虫眼鏡つきショッピングカートでは、高齢者など視力に不安がある人が自宅から虫眼鏡や眼鏡を持ってこなくても、商品の説明や成分表示などを確認しやすくなります。
また、近年ではQRコード決済やスマートレジシステムと連携し、専用のタブレットを搭載した「セルフレジつきスマートショッピングカート」なども導入され始めており、店舗DXの一環となっています。
店舗DXについては、以下の記事もご参照ください。
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店舗DXをスーパーで行うには?具体例とメリットをご紹介
静音機能付き
動かすたびに大きな音を立てるショッピングカートは、使う人はもちろん周囲にも大きなストレスを与えます。静音機能が付いているものは、音によるストレスを軽減し、快適な買い物環境を構築するのに役立ちます。
静音機能が付いているかの確認は、ショッピングカートのタイヤをチェックしましょう。タイヤにゴムまたはゴムカバーが付いているかをしらべてみてください。
ゴムタイヤはグリップ力が強く、ショッピングカートを引きずる心配がありません。スムーズに移動できるだけでなく、安全性にも優れています。
プラスチックタイヤの場合、音を吸収しないうえに滑らかに移動できません。音が鳴りやすいため、静音効果を求めている場合には避けた方がよいでしょう。
使いはじめは静かでも、使い続けていると割れや歪み・摩耗で音が大きくなることがあります。
快適な買い物環境を整えたいなら、ゴムタイヤタイプを選びましょう。
子ども向け娯楽サービスつき
子どもが楽しめるさまざまな工夫や、幼児用のおもちゃの乗り物がついたショッピングカートもあります。
子ども向け娯楽サービスつきのショッピングカートは、幼児席のあるショッピングカートと同じように、家族連れが訪れることの多いスーパーマーケットやショッピングモールで多く導入されています。
大人が買い物をしている間に子どもを飽きさせることなく、逆に子どもにも買い物の時間を楽しんでもらおうとする工夫の一つです。
きゃらくるカートも子ども向け娯楽サービスつきショッピングカートの一種で、幼児が乗れるおもちゃの乗り物がついたタイプのショッピングカートです。保護者が買い物に集中でき、子ども自身も楽しい時間を過ごせるため、「またあのお店に行こう」という来店動機のきっかけになります。
きゃらくるカートの魅力については、ぜひ以下の記事もご参照ください。
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ショッピングカートの購入・契約方法は?
ショッピングカートを購入したり、契約したりするにはどんな方法があるのでしょうか。詳しくご紹介します。
購入(買い切り)
店舗に置く多くの備品と同じように、購入時のみ費用がかかる購入型、買い切り型と呼ばれるものです。初めに費用はかかるものの、月々のランニングコストはかからないのが大きな特徴で、機能を抑えた一般的なショッピングカートの多くがこのタイプです。
契約(レンタル、リース)
月単位や年単位でショッピングカートをレンタル、リースするタイプです。初期費用の有無、レンタルのサイクルなどはサービスによって異なります。娯楽サービスなどの付帯したショッピングカートに多く、月額費用はかかるものの、メンテナンスなどのサポートが手厚いのが特徴です。
近年のショッピングカートのトレンド
近年、さまざまな業種・企業が顧客の意見を積極的に取り入れています。ショッピングカートもこの流れを受け、さまざまなタイプが販売されるようになりました。
まとめ買いや大量購入を推進する店舗では、カゴが3~4個乗せられる大容量カートが採用されています。
ホームセンターや倉庫型店舗などの大きく重たい商品を扱う企業では、カゴを使わずに直接商品を入れて運搬できるタイプを導入しているケースもあります。
また、カゴの置き方も縦型と横型があり、それぞれ特徴が異なります。主な利用者である顧客からは、以下のような意見もあるようです。
- 縦型:車幅が狭い分小回りが利いて扱いやすい
- 横型:大量の商品や荷物を置けて便利
この意見を加味して検討した場合、縦型カートは都市型の小規模店舗が、横型は郊外型の大型店舗がそれぞれ適しているといえます。
ただし、縦型は横型と比べて商品の積載量が限られ、横型は車幅がある分、通路幅の確保が課題となります。
トレンドをおさえておくことはショッピングカートの導入でも重要なポイントですが、自社が経営する店舗に合わせて選定することも大切です。
導入の際はカートや店舗の特徴をバランスよく検討したうえで決定しましょう。
ショッピングカートの選び方
ショッピングカートは、以下の2種類のポイントに注目して選ぶと良いでしょう。
容量・サイズで選ぶ
段数や載せる商品のサイズ、店内に設置されている(または設置予定の)カゴの大きさに合ったショッピングカートを選ぶ方法です。例えば、ホームセンターなどではショッピングカートも大きめのものを選ばないと商品が載せられません。一方、スーパーマーケットならカゴは小さめでも幼児席がある、通路が通りやすいサイズなどが求められます。
このように、ショッピングカートを設置する施設・店舗によって必要なサイズは異なります。設置しようとしている施設や店舗に合った容量・サイズのショッピングカートを選びましょう。
付帯機能で選ぶ
上記で紹介した各種機能、幼児席の有無、娯楽サービスなど付帯機能のあるショッピングカートを選ぶ場合、必要な機能を持つショッピングカートから選ぶやり方です。
たとえば、広い店舗なら電動式カートや、商品検索ができるタブレット付きカートが使いやすいです。店舗内移動や商品を探すコストを軽減できれば、その分顧客が店舗内を見て回る余裕ができます。うまく活用すれば、衝動買いなどの予定外の買い物を増やせるでしょう。
また、家族連れの来訪が多いスーパーマーケットやショッピングモールでは、子ども向けの付帯機能が搭載されているものがおすすめです。子ども連れでも快適に買い物ができる環境を作れば、その分来客数や売り上げを増やせる可能性があります。
子供向けカートを取り入れた施策は多くの商業施設で取り入れられています。きゃらくるカートもそのひとつです。
ショッピングカートのもつ機能を最大限に活かすには、顧客が求めている機能を正確に把握する必要があります。
そのためには、顧客分析やマーケティングも必要です。機能重視でショッピングカートを導入する際は、顧客ニーズに合致した機能が搭載されているものを選びましょう。
【関連記事】
顧客分析の手法は?フレームワークでマーケティングに生かす方法を解説
ショッピングカートの置き場

ショッピングカートを購入・契約する際には、置き場(カートゲート)も同時に準備しておくと良いでしょう。設置場所は利用者が入店時に取りやすい場所、退店時に戻しやすい場所を考えて決めます。
カートゲートの場所を決めたり、戻すためのカートゲートを準備しておかないと、ショッピングカートを導入しても置き場に困ったり、戻し場所がバラバラになったりという事態になりかねません。
ショッピングカートを用いたスーパーでの事例
ショッピングカートを用いた事例を解説します。導入するカートを選ぶ際や、カートを用いた施策を展開する際の参考にしてください。
トライアルのスマートショッピングカート
トライアルグループは、スーパーマーケット事業を手掛ける企業のひとつです。トライアルではタブレットとバーコードリーダーを搭載したセルフレジ機能付き買い物カート「スマートショッピングカート」を導入しています。
顧客は商品のバーコードを読み取りながら商品をカートに入れ、支払いは専用ゲートを通過する際にプリペイドカードのチャージ額から自動で支払われます。
このショッピングカートシステムを導入することで、レジ待ちや従業員との接触を避けつつ、支払いまでの流れを完了できる環境を構築しました。
スマートショッピングカートは2021年3月末時点で35の店舗で導入され、およそ3,400台が稼働しています。決済に伴うストレスを軽減するだけでなく、店舗への滞在時間短縮を実現しました。
また、導入により顧客の来店頻度が平均して13.8%向上しました。顧客来店回数の増加は売上増加にもつながる要素です。スマートショッピングカートの導入は、快適な購買体験を提供することで売上向上を成功させた事例といえます。
ショッピングリハビリ
ショッピングリハビリカンパニーは、歩行器としての機能が搭載されたショッピングカート「楽々カート」を用いたリハビリを提供している企業です。
楽々カートは体重をかけても転倒しないような作りになっており、カートを支えにしながらヘルパーとともに買い物することで、リハビリや介護予防につなげる取り組みを行っています。
実際に導入している商業施設では、事務所内の拠点で体操などをしたあとに、楽々カートで買い物しながらリハビリします。
利用者は住み慣れた街で楽しく買い物しながらリハビリでき、店舗は地域貢献活動をとおして地域顧客のファン化やブランド力向上などの効果を得られる、双方にとってメリットがある取り組みです。
ショッピングカートをただ導入するのではなく、他企業・事業と提携することで新しい価値を創出した好事例といえます。
ショッピングカートは快適な購買体験のカギ!ファミリー層には「きゃらくるカート」がおすすめ
ショッピングカートには大きさや段数といった基本的な違いのほか、幼児席の有無や便利機能などさまざまな付加機能の違いがあります。基本的なショッピングカートは購入(買い切り)タイプが多いですが、付帯機能のついたショッピングカートはレンタル・リース方式のものもあります。
特に、家族連れの来訪を想定した施設・店舗では、幼児席つきや子ども向け娯楽サービスつきのショッピングカートが求められる傾向にあります。
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きゃらくるカートに関する調査レポートや、ショッピングカートを活用した集客戦略については、以下の資料で詳しく解説しています。こちらもぜひご覧ください。






