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スーパーでできる省エネ対策とは?場所別に行える施策を徹底解説!

スーパーでできる省エネ対策とは?場所別に行える施策を徹底解説!

スーパーマーケットでは、店内の電気や空調、冷凍庫や冷蔵庫、店内での惣菜調理などにさまざまな電力を消費しています。しかし、近年のSDGs、電力不足などを背景として、節電がこれまで以上に強く叫ばれるようになってきました。そこで、本記事ではスーパーマーケットでできる省エネ対策について、必要とされる理由や場所別に行える対策をご紹介します。

スーパーに省エネが必要な理由

スーパーマーケットに省エネが必要な理由として、昨今高まるSDGsの機運と、電力不足が挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

SDGs

SDGsとは、地球上の誰一人取り残さないことを目指して定められた「持続可能な開発目標」のことです。SDGsには17の目標がありますが、そのうちの7がエネルギーに関する目標で、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」と掲げられています。目標7では、地球上のエネルギー問題を解決し、世界中の人々の手に安く、信頼できるエネルギーを届けることを目指しています。

エネルギー問題を解決するためには、エネルギーを新たに多く確保するだけでなく、エネルギー利用の無駄を省くことも重要です。そこで、省エネの考え方が必要になってきます。また、日本はエネルギー資源に乏しく、エネルギーを得るために7割以上も化石燃料に頼っているのですが、化石燃料を燃焼させることで大量の二酸化炭素が発生すると、地球温暖化が加速してしまいます。そこで、新たなエネルギー資源を探すとともに、エネルギー利用を抑える努力が必要です。

スーパーマーケットで行えるSDGsについて、詳しくは以下の記事でご紹介しています。
スーパーでできるSDGsとは?具体的な施策を7つご紹介

電力不足

2021年の冬や2022年の夏には、電力不足が危惧されたことで政府から節電が要請されました。電力不足とは電力を安定して供給できないかもしれない、と予測される状態のことを指し、安定供給するためには電力の需要を3%以上上回る供給の余力が必要とされています。この割合を予備率と言います。

電力の需要は、一定時間の平均値に対して約3%前後することから、予備率は最低3%と決められています。これを切った場合に電力不足とされますが、気象変動による需要や発電機トラブルなどのイレギュラーを鑑みると、電力を常に安定供給するためには8〜10%の予備率が必要とされています。電気は貯蔵しておけないため、突然の節電要請にも耐えられるよう、普段から省エネに努めることが重要です。

スーパーで省エネを行える場所とその内容

スーパーで省エネを行える場所と、その内容について詳しく見ていきましょう。

照明設備

省エネというと、真っ先に思い浮かぶのが照明設備です。例えば、以下のような対策が行えます。

  • 適切な明るさに設定する
  • 多段ショーケースで照明を減らす
  • 点灯・消灯時間を管理する
  • LEDを活用する
  • 人感センサーを使ってこまめに電気を消す
  • 調光制御を導入する

最も重要なのは、店舗全体に適切な明るさを設定することです。JISではスーパーマーケットの照度基準が定められているため、これよりも明るすぎる場合は照度を下げることで省エネに貢献できます。また、店内全体を均一な明るさにするのではなく、目玉商品など明るくしたい部分と、通路下など暗くても問題ない部分で変化をつければ、省エネのみならず明るさにメリハリをつけて購買意欲を促進する効果も期待できるでしょう。

また、点灯・消灯時間を管理したり、人感センサーを導入してこまめに電気を消したりすることで電力消費の無駄を抑えられます。例えば、駐車場や屋外灯などの点灯開始時間は季節による日没時刻の変化でルール化したり、休憩室や倉庫のスイッチのそばに節電ラベルを貼ったりすることで、節電を促せるでしょう。

空調・換気設備

空調や換気設備も消し忘れなどが多く、省エネに向けて改善しやすいところです。例えば以下のような対策が行えます。

  • ON・OFFを管理する
  • 食品売り場の空調を管理する
  • 自動ドアの無駄な開放を防止する
  • 換気設備を適正に管理する
  • 室外機フィン、室内機フィルターを洗浄する
  • 室外機の日射防止や散水装置を設置する

まずは空調を切り忘れないよう、ON・OFFを徹底することが重要です。特に、閉店時に空調を切り忘れてそのまま退店してしまうと、翌朝まで空調が運転しっぱなしになってしまいます。閉店時のチェックリストを作成するとともに、担当を決めておくとよいでしょう。また、照明と同様節電ラベルを貼って節電に関する意識を高めることも効果的です。

食品売り場の空調は、ショーケースからの冷気流出を考慮して夏場や冬場の運転を考える必要があります。例えば、夏場なら冷気が届かない場所に限った運転ができますし、冬場は冷気と相殺してしまわないよう、暖房効果を発揮する場所とそうでない場所を分けるとよいでしょう。

自動ドアの無駄な運転防止とは、店舗の入り口付近に商品売り場を設置してしまい、そこに顧客が立ち止まることで自動ドアが開きっぱなしになり、外気が入ってきてしまうことを指します。外気が不必要に入れば、空調設備に余計な負荷がかかることになるため、商品配置を見直すことが重要です。

冷凍・冷蔵設備

冷凍・冷蔵設備は24時間稼働し続けているものが多く、スーパーマーケットにおける消費電力の多くを占めます。そのため、見直せる箇所も多く、例えば以下のような対策が挙げられます。

  • 商品陳列を見直す
  • 設備を清掃する
  • 設定温度を適切にする
  • 除霜回数や時間を調整する
  • ナイトカバーを設置する

商品陳列では、まずエアーカーテンの吸入口を商品や値札で塞がないこと、平型ショーケースに商品を積み上げすぎないことが重要です。これらは冷却効率を下げてしまうため、過剰な運転につながります。値札は吸入口の外側に取り付けたり、吸入口の内側にタグフェンスを取り付けたりすると、エアーカーテンの気流を十分に保ちやすくなるでしょう。

また、冷凍や冷蔵設備を適切に清掃することも重要です。毎日の営業で溜まってしまうほこりや小さなゴミなどが冷凍・冷蔵性能の低下を招き、消費電力を増やしてしまいます。特にエアーカーテンの吹出口や吸入口の清掃をしっかり行いましょう。2週間〜1ヶ月に1回が目安ですが、できる限り短いサイクルで行うようにします。

調理室

調理室はあるところとないところがありますが、あるところでは以下のような対策が行えます。

  • 空調や排気ファンの切り忘れ防止
  • 冷凍・冷蔵庫を適切に使う
  • 調理設備を適切に使う

これも照明や空調と同じように、まず切り忘れを防止しましょう。調理作業を行わないときにはこまめにスイッチを切ることを徹底すると同時に、節電ステッカーを貼り意識を高めます。また、最終退チェック表などを活用すると、誰が使って切り忘れたのかわかるため、改善に役立てられるでしょう。

冷凍・冷蔵庫は常に通電しているため、適切に使うことで消費電力を抑えやすい場所です。例えば、扉の無駄な開閉を少なくしたり、食品に適切な隙間を作ったりする方法があります。冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎると、冷気がうまく滞留できず、冷却効率が下がってしまうのです。一般的に、冷蔵庫内にいれる食品は最大容量の7割程度にとどめておくとよいとされています。

その他

その他に行える省エネ対策として、デマンド監視装置やコントローラーの設置、太陽光パネルの導入などが挙げられます。デマンド監視装置やコントローラーは、常に電力の利用状況を監視し、あらかじめ設定したデマンド値を超えそうになった場合、パソコンやスマートフォンに警報通知を送ってくれるというものです。

また、スーパーマーケットの店舗構造として広く平坦な屋根があるため、太陽光パネルを設置するのに向いています。そのため、太陽光発電パネルを設置すると購入電力量の削減に役立つほか、災害時の予備電源としても活用できるでしょう。

まとめ

省エネは一朝一夕に行えるものではなく、日々の積み重ねや細かな意識改革が重要です。特に日本はエネルギー資源が不足しており、いまだに電力供給の多くを化石燃料に頼っている状態で、二酸化炭素排出の問題からも新しいエネルギーを探すとともに省エネが叫ばれています。今回ご紹介した施策は一例ですが、これらを参考に、ぜひ省エネに取り組んでみてください。