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スーパーマーケットの売場レイアウトには理由がある!品物別の法則をご紹介

スーパーマーケットの売場レイアウトには理由がある!品物別の法則をご紹介

どこのスーパーマーケットに行っても、入り口から出口まである一定の法則があると感じたことはありませんか?これは、スーパーマーケットに訪れる消費者が商品を購入しやすいよう、また、買い足しやついで買いを促進してスーパーマーケットの売り上げを伸ばせるよう考慮されているためです。今回は、そんなスーパーマーケットにおけるレイアウトの重要性やポイントをご紹介します。

大原則は「買いやすさ」

スーパーマーケットは、子育て中の主婦や働き盛りの一人暮らしなど、忙しい中利用している人も多い場所です。そのため、そもそもの大前提として消費者が「買いやすい」レイアウトになっていなくてはなりません。

ターゲット層のニーズや購買意欲を考えることは大切ですが、最も大切なのは利便性であることを忘れずに、売場レイアウトについて考えていきましょう。

品物別、おすすめ売場レイアウト

売場レイアウトを考えるにあたり、まずは品物カテゴリ別の大きなレイアウト方法を見ていきましょう。

野菜や果物売り場

野菜や果物は、最も目につきやすい入り口付近に置くことが多いです。

季節感やフレッシュさを感じられる、いかにも「生鮮食品」であり、野菜や果物は他の生鮮食品と比べて色とりどりです。パッと目を引くキレイな生鮮食品を最初に配置することで、入口から購買意欲を喚起するのに効果的でしょう。

また、野菜を見てから献立を考える人が多いことも、野菜や果物売場が先頭にある理由です。そもそも野菜を全く使わない料理をすることは少ないため、購入頻度の高い野菜を先頭に置くことで、消費者にとって利用しやすい配置にできます。

お肉・魚売り場

精肉や鮮魚の売り場は、野菜からつながるような配置にするのが一般的です、メイン料理の多くは、野菜と肉または魚で構成されるため、野菜と肉・魚の売り場が連なっていると献立を考えやすいからです。

店側としても、痛みやすい肉や魚は、気温が変わりやすい入り口よりも奥に置いた方が管理しやすいため、野菜売り場よりも奥側の位置にお肉や魚の売場を設置するのは理にかなっています。

近年スーパーマーケットに対して脅威となってきている、日用品やお菓子・パンなどを購入できるドラッグストアやコンビニなどでも、精肉や鮮魚はまず取り扱いのない商品です。

つまり、精肉や鮮魚はスーパーマーケットの中でも主力商品と言えるでしょう。商品1つ1つの金額も他と比べて高めなことから、購買意欲が高まった状態で精肉・鮮魚コーナーに続けると、購買率を上げられると考えられます。

卵や牛乳・乳製品

購入頻度が高いものは、動線の最後に配置しましょう。店内全体を回れる位置に置き、一通り見てから購入してもらおうという考え方に基づきます。そもそも、卵や牛乳・乳製品はどこにあっても売れるものであり、消費者が探してでも買ってくれるものです。

そのため、配置を考える必要がないことに加え、これらの配置によって動線を作るとも言えるでしょう。

お惣菜やパン

お惣菜やパンは、スーパーマーケットが注力する商品でもあり、主力商品の一つです。買い足しやついで買いを狙うため、レジに近い最後のエリアに置くと良いでしょう。

とはいえ、これらの食品は一つで完結しており、生鮮食品を購入する前に見せてしまうと、生鮮食品の売れ行きが下がってしまう可能性があります。逆に、生鮮食品の購入を決めた後でお惣菜やパンのエリアを見る場合、ちょい足しの一品や翌朝のパンなどを購入してくれる可能性が高いです。

つまり、生鮮食品を購入したからといってお惣菜やパンの売り上げが下がる可能性は少ないため、生鮮食品の後に持ってくる方が客単価が上がりやすいと言えるでしょう。

お惣菜を入り口に配置する店舗もある!?

近年では、お惣菜を入り口付近に配置する店舗もあります。働く女性が増えたりインスタント食品が増えたりして自炊の機会が減っていることもあり、生鮮食品よりもお惣菜の需要が高いこともあるためです。

こうした店舗の場合、最初が野菜ではなくお惣菜からスタートすることもあります。ターゲット層に合わせた配置を心がけましょう。

ターゲット層へのおすすめアプローチについては、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
スーパーの客層は変化している!?ターゲット層へのおすすめアプローチとは

その他、売場レイアウトのポイント

その他、気をつけるべき売場レイアウトのポイントを2つおさえましょう。

時計回りにする

グロエペル=クレインとバートマンによる研究では、時計回りのレイアウトの方が消費者の購買行動が促されることが発見されました(2008)。

スーパーマーケットに訪れる消費者は、店内のどこに何があるかを覚えて脳内で描く「メンタルマップ(認知マップ)」を持っています。例えば、自分がよく行くスーパーでどこにどんな商品があるかわかっていること、がメンタルマップです。

前述の実験では、時計回りと反時計回りでは「時計回り」の方がより詳細かつ正確なメンタルマップが形成されること、消費者の購買金額が増えること、特定の製品を効率よく見つけやすいことがわかりました。

右利きの人が多いため、商品を右手で取ることを考え、反時計回りに動けるようなレイアウトが多いと考えられていたため、反時計回りのスーパーも多いです。しかし、研究結果から、これは思い込みであったことが判明しました。

右利きの人が反時計回りに移動する場合、右側(壁側)の陳列しか見ないのですが、時計回りに移動すると右側の陳列は自然と見られるのに加え、左側(壁側)の陳列も見るようになります。前述の研究の分析によれば、人間の安全性欲求から壁側を見るのだと説明されています。

ついで買いを促すレイアウトに

レジの横にガム・飴・電池など少額商品を置く、パスタやうどんなどのコーナーに粉チーズや揚げ玉などの関連商品を置く、お肉の近くに焼肉のタレや鍋のつゆを置いてメニューを提案するなど、ついで買いを促すレイアウトも重要です。

そもそもガムや乾電池などは小さく、うっかり買い忘れがちなものなので、買い忘れを防ぐのにも役立つでしょう。

さらに詳細な陳列方法は、こちらの記事でご確認ください。
売り場の陳列はなぜ重要?適切な場所の選び方をポイントで解説

レイアウト変更は原則として行わない

スーパーマーケットのレイアウト変更は、消費者を不快にさせる可能性が高いため避けましょう。

レイアウトが突然変更になると、メンタルマップを使えず消費者のイライラにつながってしまいます。スーパーマーケットの買い物は日常生活に必要なものであり、「面倒だけれど買い物を済ませなくては」という人も多く、できるだけ時間や手間を省きたいものです。

アパレルブランドなど、完全に目新しい商品が入荷する店舗であればレイアウト変更にも意味が生まれますが、スーパーマーケットでレイアウト変更しても、いつもの商品が場所だけ変わるため新鮮さ・新規性はありません。むしろ、いつもの商品をいつもの場所に置いておいた方が、メンタルマップを利用することで脳内メモリにも心にも余裕が生まれ、さまざまな商品に目を向けやすくなるでしょう。

つまり、スーパーマーケットにおけるレイアウト変更は、むしろ購買意欲を減退させる原因になりかねないのです。レイアウト変更はどうしても必要なときだけにとどめ、変更が必要なときは今までと異なる雰囲気の売り場にするなど、消費者がポジティブな動機でメンタルマップを更新できるようにしましょう。

まとめ

スーパーマーケットの売り場は大原則として、消費者が買いやすいように配置されています。野菜、肉や魚といった入り口付近の配置は、献立を考えるためです。逆に、卵や乳製品など購入頻度が高いものは、できるだけ店内を歩いてもらうため、最後に配置すると良いでしょう。

また、全体的な配置として時計回りにする、ついで買いを考えたレイアウトにすることもポイントです。レイアウト変更は消費者の不快感につながるため、極力避けておくのが良いでしょう。

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