ファミリー層へのマーケティングで安定した利益を確保しよう
少子高齢化が進む現状、ファミリー層の新規顧客獲得は従来に比べて難易度が高まる一方です。
・ファミリー層向けのマーケティング施策を模索している
・ファミリー層をロイヤル化したいが方法がわからない
などの課題を持っている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、ファミリー層へのマーケティングがどのような効果をもたらすのかを解説しつつ、マーケティングのポイントや実際の事例を解説します。

目 次
そもそもファミリー層とは

ファミリー層とは、子育て中の家庭を指す広い言葉です。具体的には、20~50代の親とその子ども・祖父母を含みます。そのため、リピーター層として確保できれば継続的に安定した売上を得られるようになる層でもあります。
現在日本は少子高齢化の影響から消費者の数自体が減少し、新規顧客獲得が難しい状態です。この影響を受け、ファミリー層は多くの業界に注目されています。
従来ターゲット層として捉えていた小売業はもちろん、これまでメインターゲットから外していた業界や企業も、注目し始めています。
【関連記事】
ファミリー層が集客で果たす役割と施策のポイント
ファミリー層をターゲットにすると得られるメリット

ファミリー層をターゲットにすると得られるメリットは、安定した売上だけではありません。集客ターゲットとしてのファミリー層がもたらすメリットについて解説します。
リピーター獲得につながりやすい
ファミリー層は親子連れで過ごしやすい場所を常に探しています。企業や店舗がそのような場所だと判断してもらえれば、リピーターとして長期間利用してもらえるでしょう。
特に小さな子どもがいる家庭であれば、子どもも大人も快適に過ごせる、あるいは買い物ができる環境があれば、ファンになる可能性が高いと言えます。
そのため、ファミリー層を獲得するには、大人も子どもも快適に過ごせる環境や、親子で楽しめるイベント施策を打つ必要があります。
高い口コミ効果が期待できる
子育て中は、同じ悩みを抱える保護者同士で情報をシェアする傾向があります。ファミリー層にとって有益な企業・店舗である印象を与えられれば、保護者から高い評価の口コミを一度に大量に得ることも可能でしょう。
高い評価の口コミが広まれば、ファミリー層だけでなくほかの属性にもアピールできます。集客効果をより高めたい場合にも、ファミリー層は意識すべき客層です。
ファミリー層へマーケティングする際の考え方

集客においてさまざまなメリットをもたらしてくれるファミリー層ですが、マーケティング施策を実施する際は通常の顧客とは異なる視点での企画が必要です。以下の考え方をおさえておきましょう。
保護者と子どものニーズを把握する
ファミリー層にマーケティング施策を実施する際は、ファミリ―層の中でも具体的なターゲット像を把握しておく必要があります。
乳児を持つファミリー層と、幼児を持つファミリー層、あるいは中高生を持つファミリー層とでは、ニーズが異なるためです。
自社製品/サービスのターゲットとなるファミリー層はどのような層か、その層の関心事は何なのかを情報収集した上で、マーケティング施策を企画しましょう。
【関連記事】
スーパーでファミリー層を集客するには?売上アップのおすすめ施策もご紹介
リソースを考える
ファミリー層は子どもの保育施設や学校のスケジュールに合わせて行動するため、イベント参加は家族が休みを合わせやすい土日や長期休暇の時期を選ぶ傾向にあります。
イベント系の施策を展開する場合は、時期にあわせて来場予測を立て、施策実施に必要な人手や時間・手間などをかけられるかを検討しましょう。
人手や時間が不足すると、顧客満足度を満たせない・トラブルが発生するなど、施策の障害となりうる事態が発生する可能性があります。マーケティングを成功させるためにも、このような事態は計画のうちから避けなくてはなりません。
また、イベント開催用のスペースを確保できるかも重要なポイントです。ただ確保するだけでなく、効率的に施策の効果を得られる場所を選択できるかによっても、マーケティングの効果は変化します。
来場者、特にファミリー層限定のお土産やSNS投稿が簡単にできるフォトイベントコーナーなど、施策の余韻に浸れる仕掛けも重要です。上記を踏まえた施策として、以下の例が挙げられます。
- イベント時の省人化に役立つツールの導入
- 来場者自身が行動することで楽しめるイベントやスポットの設置
- 限られたスペースでも展開できるフォトスポットなどのイベント
これらのイベントは、単体で展開するよりも複数のアイデアを組み合わせた方が効果的に働きます。自社や店舗のリソースにあわせて工夫しながら展開しましょう。
印象に残るようなディスプレイやデコレーションを意識する
リソースの確保において限られた状況下でも、効果を上げる必要が出てくる場合もあるでしょう。
限られたリソースの中でも施策の効果を高める方法として、季節感やコンセプトを意識したディスプレイ・デコレーションを施す選択肢があります。
たとえば、ハロウィンやクリスマスなどのイベントを利用し、イベントと家族のだんらんを思い出として結びつければ、店舗や商品を印象付けられます。
子どもが興味を持ちやすいモチーフやキャラクターを活用したディスプレイやデコレーションをして、子どもを中心にしたイベントを印象付けるのも来場につながる方法です。
特に子どもの年齢が小さい家族連れは、思い出に残すために写真や動画を撮る傾向があります。これを利用して、思い出に残るような印象をイベントに付与することも、ファミリー層向けマーケティングにおける重要なポイントです。
施策の来場・参加を促すポイント
どんなに優れた施策を展開しても、ターゲット層に来場してもらわなければ意味がありません。
施策を成功させるには、ファミリー層の来場や参加を促す工夫を講じる必要があります。施策の宣伝などを実施する際は、以下のポイントをおさえておきましょう。
広告や資料はターゲット層を意識する
広告や資料を作成する際は、伝えたいことが一目で分かるようなデザイン・文章を心がけましょう。ファミリー層、特に子育て世代は、育児や家事に追われているため広告や資料を読み込む時間を確保しにくい傾向にあります。
特に近年は共働き世帯も多いため、読み込む情報が多いとかえって敬遠されかねません。
また、特定の属性に対するアピールにばかり目を向けていると、来場や参加する前に離脱されてしまう場合もあるでしょう。これを防ぐには、今回でいえばファミリー層が持つ特徴や背景に配慮する必要があります。
また、ただ情報を届けるだけでなく、以下のような配慮を行うことでより分かりやすく情報を届けられます。
- 顧客がおさえておきたい情報を確保するための書き込み欄
- 内容を視覚的に確認できる地図や図
購入決定者である保護者さんだけでなく、それ以外の大人や子どもも楽しみながら来場・参加できるような内容を心がけましょう。
子育て世代が来場しやすい環境を整える
子育て世代、特に子どもの年齢が幼いほど保護者は育児に必要なものを持ち歩きながら外出します。
来場中の子どもを世話するには、ものだけでなく設備も必要です。どんなにいい施策を実施しても、ファミリー層向けの設備や環境が整っていなければ来場してもらえません。
大人はもちろん、子どもも快適に過ごせる設備を導入し、来場しやすい環境を整えましょう。具体的には、以下のものが店舗・施設にあるか確認し、不足があれば対応します。
- 授乳スペース
- キッズスペースやキッズスペースとして活用できる設備や施策
- 子ども用自販機や粉ミルクを溶かす際に使えるウォーターサーバー
- 離乳食の提供や温めサービス
- イベント前後に子どもと買い物できる専用カート
このうち、専用カートの一種であるきゃらくるカートは乳児や幼児でも使いやすいタイプが多く、おすすめです。遊びながら安全かつ快適に買い物ができる印象を持ってもらえれば、施策終了後も来店してもらえる可能性を高められます。
【関連記事】
ショッピングカートは何歳から?子ども用カートの安全な使い方
ファミリー層マーケティングに有効な施策
これまでの内容を踏まえつつ、ファミリー層向けマーケティングで実施される施策のうち、代表的なものを紹介します。
家族向けイベントの実施
普段顧客に提供している商品やサービスに関連した家族向けイベントは、ファミリー層への集客・ファン化施策としてよくとられている手法です。
近年、顧客の消費活動は商品を購入するだけでなく、特別な購買体験を味わう方向にも向けられています。商品と関連付けて行われる家族向けイベントは、この「モノ消費」だけでなく「コト消費」を満たす効果が期待できます。
イベントを通して家族の思い出作りに助力できれば、商品や店舗に関連する情報を見るたび自社のことを思い出し、来店してくれるようになるでしょう。
商品やサービスだけでなく、自社やブランドの認知向上・イメージアップにも有効な手段です。
ファミリー層に利用されているコンテンツやSNSへの広告出稿・配信
近年、育児の一環や家事をする時間を確保する手段として、動画配信サイトやYouTubeのキッズチャンネルが活用されています。これらは子どもだけでなく大人も自然に視聴している方が多く、広告出稿や配信先としても優秀です。
なお、配信先によっては広告そのものが嫌がられるケースもあります。配信内容やタイミングは、これまで解説したポイントをおさえつつ、不快感やこどもへの悪影響を与えないようにするなどの配慮も必要です。
また、ファミリー層がよく利用しているX(旧Twitter)やInstagramなどのアカウントを作成し、ファミリー層向けの情報を配信するのも良い方法です。SNSのコメントやDM(ダイレクトメッセージ)などを通して顧客と交流できれば、自社やブランドで展開している商品・サービスのファン層を確保できます。
イベント告知や宣伝なども低予算でできるため、予算が限られている場合にも選びやすい施策です。
【関連記事】
店舗集客におけるSNSの特徴とポイント|活用方法も解説
子ども向けメディアへの掲載
子ども向けメディアには、子育て世代の悩みや世代同士の交流を担っているものがあります。具体的には、育児情報誌や子ども向け雑誌、YouTubeのキッズチャンネルなどです。
保護者の悩みを解決しつつ、自社商品やサービス・施設を紹介すれば、顧客にファミリー層に寄り添った姿勢を取っている印象を与えられます。
子ども向けメディアの広告は、WEB上のものであれば企業のホームページやECサイトにつなげられるため、集客だけでなく商品購入や資料請求などの行動につなげることも可能です。
なお、子ども向けメディアは、共働きや専業主婦などのライフスタイルや、子どもの月齢・年齢など、さまざまな属性で分かれています。
自社商品やサービスと親和性の高い属性を持ったメディアを選定するのが、この施策を成功させるポイントです。
ファミリー層マーケティングの好事例

ファミリー層獲得のためにはターゲット層に支持されている好事例を参考にするのもひとつの手です。ファミリー層に強い企業の施策を紹介するので、自社の施策を検討する際にお役立てください。
アカチャンホンポ
ベビー用品を扱うアカチャンホンポでは、赤ちゃんと保護者の思い出作りイベントとして、ハイハイレースを開催しています。
親子のコミュニケーションを作るだけでなく、保護者同士のつながりもできるイベントとして、多くのファミリー層に支持されている施策です。
保護者同士で交流を持ち、企業や店舗のファンになってもらうことで、ファミリー層マーケティングの効果向上に成功しています。
ファミリー層へのアピールと考えると保護者と子どもに注目しがちですが、子ども・保護者同士の交流も意識するといいイベントになる好例です。
参照:アカチャンホンポ
マクドナルド
世界規模でファーストフード店を展開しているマクドナルドは、子どもと保護者向け施策を多数展開している企業でもあります。ファミリー層向けの施策は多岐に渡り、その一部は店舗の外でも展開しています。
- ハッピーセット:子ども向けメニュー
- 大型店舗のプレイハウス:遊びながら料理を待てる・食後に遊べる
- マックアドベンチャー:子ども向けの職業体験イベント
- ドナルド・マクドナルド・ハウス:長期入院している子どもの保護者が付き添いするための宿泊施設
店舗で提供できる範囲の商品・サービスだけでなく、その外側でもファミリー層に寄り添うことで厚い支持を得た好事例といえるでしょう。
ファミリー層向けのマーケティングでは、店舗や商品・サービスに限らず、自社がファミリー層に何ができるのかをよく考える必要があることが分かります。
参照:マクドナルド公式
子ども向け設備の設置もファミリー層向けマーケティングに最適

ファミリー層を獲得するために有効な手段のひとつが、子ども向け設備の導入です。
例えば、きゃらくるカートは小さい子どもに人気のキャラクターがついているほか、遊具や買い物袋などをかけておくフックなどが搭載されています。
子どもと楽しく、あるいはストレスなく買い物がしたいファミリー層にとっては魅力的な施策になりうるでしょう。
【関連記事】
「また行きたい!」のきっかけに。きゃらくるが愛される理由
ファミリー層に寄り添ったマーケティングで集客を成功させよう
ファミリー層は、新規顧客獲得が難しい現代において重要な要素を占めているターゲット層です。集客や利益向上を成功させたいなら、ファミリー層に向けたマーケティングを検討する必要があります。
この記事で紹介したマーケティングのポイントや好事例を参考にしつつ、自社ならどのような施策が展開できるか考えてみましょう。






