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スペースアロケーションとは。売場空間を最適化し、売上最大化を目指すコツ!

スペースアロケーションとは。売場空間を最適化し、売上最大化を目指すコツ!

マーケティングの考え方である「インストアマーチャンダイジング(ISM)」を構成する柱の一つとして、「スペースアロケーション」と呼ばれる手法があります。スペースアロケーションはスペースマネジメントとも呼ばれますが、この手法は具体的にどのような考え方を指すのでしょうか?この記事では、スペースアロケーションの意味や目的、具体的な実現手法について解説していきます!

こちらも是非!「ISMの柱の一つ、インストアプロモーションとは?

スペースアロケーションとは

「アロケーション」とは、英語で「割り当て」を意味する言葉です。つまり、スペースアロケーションとは空間の割り当てを意味します。そして、この言葉は小売業やスーパー業界の文脈では、「売場空間を最適な形に割り当てることで売上最大化を目指す手法」のことを指します。

スペースアロケーションの目的と期待される効果

スペースアロケーションの目的は、店内スペースの最適化によって売上を最大化することです。小売業、スーパー業界では売場一坪当たりの売上額を示す「坪効率」が重要とされることがありますが、適切なスペースアロケーションを行うことで、この「坪効率」を向上させることができます。

店内スペースは売上を作るための資産ですが、同時に固定費等の維持費が発生するため、その資産を有効活用することが欠かせません。つまり、持てる資産を最大限に活かすために役立つ考え方が、スペースアロケーションなのです。

スペースアロケーションの手法

では、実際にスペースアロケーションに取り組む場合、どのように進めれば良いでしょうか?そのヒントとなるよう、適切なスペースアロケーションに必要な二つの工夫について、以下で解説します。

店内レイアウトの工夫

スペースアロケーションを行うにあたっての第一の視点が、「店内レイアウト」の最適化です。この考え方では、店内スペースを俯瞰的に捉え、全体最適を行います。具体的には、フロア全体を適切に区切り、それぞれに適切な売場を割り当てる、つまりアロケーションしていくことになります。

売場を割り当てる際は、消費者が店内スペースを回遊する仕組みづくりを意識しましょう。消費者に店内を歩き回ってもらえば、消費者が様々な商品や広告ポップなどに気づく可能性が高まります。このことで、非計画購買を喚起することができ、売上向上が期待できます。

より具体的な回遊率を高めるための手法としては、例えば人気商品を奥に置く、店舗の隅に配置するなどが考えられます。また、そもそも消費者が店に入ってくれなければ売上は発生しないことから、生鮮食品など顧客誘引力が高い商品を店の入り口に置くことも有効な手法と言えるでしょう。

売場レイアウトについて、詳しくはこちら!「売り場レイアウトのポイント」

棚割り(シェルフマネジメント)の工夫

スペースアロケーションを行ううえでの二つ目の視点として、棚割り(シェルフマネジメント)があります。先の「店内レイアウトの最適化」ではフロアの全体最適を考えましたが、棚割りはそれぞれの売場に置かれる棚ごとの売上最大化を目指すものであり、局所最適の考え方とも言えます。

棚割りでは「棚の何処に、何を、どう置くか」を戦略的に考えます。例えば、棚の中で視認性の高い「優位置」と低い「劣位置」を考慮した商品陳列はその代表例です。なお、「優位置」と「劣位置」の広さは、棚が置かれた通路の幅、メインターゲットの平均身長、棚の形状でも変動します。

では、棚の中の位置関係を戦略的に捉え、最適な棚割りを行うにはどうすればよいのでしょうか。そのために役立つ考え方を二つ、以下にご紹介します。ただし、法則から導かれる陳列が常に正しいとは限らないため、最適な棚割りはあくまで自店舗の構造や顧客層などを含めて考えましょう。

上下の法則

垂直方向の陳列に注目する「上下の法則」では例えば、消費者の利便性を考えて重いものは下段、軽いものを上段に置くことが推奨されています。重いものを棚の上から取るのは心理上のハードルとなり、商品自体が気になっていても購入を止めてしまうかもしれないからです。

また、同法則では棚を「優位置」と「劣位置」で捉えて配置を検討します。例えば、消費者に認知されやすい位置である「優位置」には「売りたい商品」を、消費者に認知されにくい「劣位置」には、陳列場所の不利を克服できるほどの人気を持った「売れ筋商品」を置く、といった具合です。

左右の法則

水平方向の陳列に注目する「左右の法則」では、その名の通り最適な棚割りを左右で考えていきます。なお、この法則では商品を左右に陳列すると比較検討されやすくなるとされています。これは、人間の目線は左から右に流れるというのがその根拠になっています。

また、左右に類似商品を陳列した場合、右側の商品が売れやすいとされます。これは、多数派を占める右利きの人にとって、商品の取りやすさで右に軍配が上がるためです。このことから、自社のブランド商品などの「売りたい商品」を、意図的に類似商品の右へ陳列するのも有効と言えます。

その他の陳列の工夫を知りたい方はこちら!「陳列上の工夫を大公開」

スペースアロケーションの活用例

多くの商品には、販売開始から終了までの期間において、売れ行きの波が存在します。この特性は商品ライフサイクルと呼ばれ、同サイクルは導入期、最盛期、そして成熟・衰退期に大別されます。売上を最大化するためには、この商品特性と波を踏まえた販売上の工夫が欠かせません。

例えば、店内フロア全体を俯瞰的に捉えたうえで、何処にどのような売り場を作るべきか。そして、その売場の中で、商品をどう陳列するか。これらはまさに全体最適と局所最適の考え方そのものであり、商品ライフサイクルを考慮した戦略的販売には、スペースアロケーションが欠かせません。

では以下に、商品ライフサイクルを考慮したスペースアロケーションの例を見ていきましょう。ここでの基本的な考え方は、売れる時期にはできる限り需要を拾い上げて売上を高め、売れ行きが鈍化し始める時期には完全に売れなくなる前に在庫を売り切る、というものになります。

導入期

導入期にある商品は、消費者からの認知度が低い状態です。当然のことですが、どのような商品であっても、まずは消費者に認知されなければ購入されることはありません。そのため、導入期にある商品には、認知度拡大を目的としたスペースアロケーションが必要になります。

【具体的手法の例】

・棚のエンドなど、他の商品群に埋没しにくく視認性の高い場所に売場を設ける 

・ポップなどで商品の魅力やおすすめ理由をアピールする

最盛期

この時期にある商品は認知が高まった状態にあり、商品を目にした消費者から高い確率で購入されます。従って、できる限り多くの販売スペースを取り、消費者の需要と等しい供給を目指すべきです。また、欠品での機会損失がないよう、適正な在庫管理にも気を配りましょう。

【具体的手法の例】

・客の来訪理由になることもあるので、回遊率を高める配置を考える

・棚で大きなスペースを確保して売る

成熟・衰退期

この時期にある商品は既に需要が頭打ちし、徐々に需要が無くなっていきます。そのため、できる限り早く在庫を売り切れるよう、ワゴンに積んでの特価販売をするなどの対応が必要となります。日々の売上管理や例年の傾向などを参考としつつ、適切な時期に戦略転換を決定しましょう。

【具体的手法の例】

・視認性が高い場所に置き、購入率を高める

・ポップなどで購買意欲を喚起し、ワゴン平積み等で売り切りを目指す

まとめ

できる限りコストを下げつつ、売上を最大化するためにできる取り組みがインストアマーチャンダイジング。 そして、その中の一手法としてスペースアロケーションがあり、それは店内スペース利用の最適化での売上最大化を目指すものでした。これを機会にさらに効果的なスペースアロケーションを検討し、販売促進・売上拡大を目指しませんか?